認知症になると、日常生活においてあらゆる支障が出てきます。そのため、普通にこなせてきたことも難しく感じ、肉体的にも精神的にも悪影響を与えてしまうのです。
認知症によるコミュニケーション障害とは?
認知症の中核症状と周辺症状に加えて、不安や混乱、周囲からのストレスなど様々な要因が重なると、コミュニケーション障害を引き起こしてしまいます。認知症によるコミュニケーション障害とは、言葉の障害だけでなく、人と基本的なコミュニケーションを取ることさえ困難になるという意味です。
例えば、質問をオウム返しで返す、そのときの状況に応じた会話が出来ない、同じことを何度も繰り返して言うなどが挙げられます。
このような認知症によるコミュニケーション障害が生じることで、ちょっとした会話でも支障が現れてしまうのです。
認知症によるコミュニケーション障害にどう対応するか?
それでは、認知症によるコミュニケーション障害に対して、どのような受け答えをすれば良いのでしょうか?
基本的な会話も困難になるのなら、コミュニケーションを取るのは不可能ではないかと思ってしまいます。しかし、大切なのは私たちが認知症の人と向き合っていこうという気持ちです。認知症の人を理解しようとする姿勢があれば、意思疎通は可能だと私は思っています。
ここでは、認知症によるコミュニケーション障害を持つ人にどう接していくべきなのかを考えてみましょう。
受容しようとする心構え
認知症の人と接するときに大切なのは、受容しようという心構えです。
積極的な関わりを持とうという姿勢がなければ、相手はなかなか心を開いてくれません。相手の言葉に耳を傾け、話を聴く姿勢を表せば、認知症の人に自分の意思が伝わるはずです。
認知症という病気と共に、その人自身を理解し、いつでも受け入れる状態をつくってください。
感情的な記憶は覚えている
認知症の人は出来事の記憶など、様々なことを忘れがちだと考えてしまいます。しかし、自分の心に残っている感情は頭に残りやすいそうです。
例えば、「どうして好きかは覚えていないけど、○○さんは好きな人だ」といったように、好きになった理由は分からなくても好きであるという感情は忘れていません。料理の手順や今までの記憶を忘れても、人間は好き・嫌いといった感情の記憶は強く残るのです。
まだ感情の記憶が残っている認知症の人に対して、素っ気ない態度や冷たい反応をしては悪いイメージが頭の中に刷り込まれてしまいます。一人の人間として尊重し、暖かく接すことで認知症の人に好印象を持たれたいものですね。
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